2020.03.29

改めて、人の話を『聴く』とは?

人の話をちゃんと聴こう…
できているつもりで、なかなかできていない方も多いかもしれません。

 

先日、とあるセミナーに勉強へ行ってきました。
“オープンクエスチョン”と“クローズド・クエスチョン”という、
2つの質問形があることを学び、セミナーの中では、
これらを体験するために、二人一組で会話をしました。

 

「好きな食べ物はなんですか?」という最初の質問を設定。
そこから会話を展開させていきました。
わたくしが質問をされる側でした。

 

相手:「好きな食べ物はなんですか?」

 

私:「たけのこです。」

 

相手:「たけのこ?どんなかんじですか?」

 

私:「触感が良くて、薫りも良いですし、春という季節感も感じられて…。
これから大きくなっていく竹の麓で自然のエネルギーを頂いているような…
そんな気持ちも感じられるので、たけのこが好きなんです。」

 

相手:「うん、うん、たとえば?」

 

私:「たとえば、その中でも、たけのこの木の芽和えが大好きなんです。
ひとりでどんぶりに山盛り作って食べてしまうくらい、大好きなんです!」

 

と、ここまでは良かったのですが…。

 

相手:「たけのこの木の芽和え!?どうして?」

 

私:「木の芽の味も好きですし、味付けも好きで…」

 

という展開になりました。

 

本当はこのときわたしは、
たけのこのコース料理を食べに行った経験を話したいと思っていました。

 

「お値段1万円のコース料理を食べに行ったことがありまして、
たけのこのお刺身、焼き物、木の芽和え、お吸い物から煮物から天ぷらから、
たけのこご飯まで…!
贅沢に出てくるんだけれど…もうお腹いっぱいで…!
いくら好きでももう食べられなーい!しばらくたけのこ料理は遠慮しますー!」

 

というエピソードを話したかったのです(!笑)。

 

ところが相手から、「たけのこの木の芽和え」という限定をされてしまいました。

 

この時点で、
“クローズド・クエスチョン“。
わたくし(聴かれる側)からみて、
会話の方向性を相手にコントロールされた状態になってしまい、
このやりとりの中では、話したいと思っていることを、
引き出してもらえませんでした。

 

この体験をしてみて気づいたことは、
聴き手(質問する側)は、フラットな状態でなければ、
相手が話したいことを聴き出せず、
相手が本当に思っていることにはたどりつけないのだな、ということです。

 

会話の中では、ついつい自分にとって興味のあるほうへと質問をしてしまいがちです。
または、会話の最中に相手に何か教えてあげたいことがひらめいてしまい、
「どうやってこれを上手く教えてあげられるかな?」と、
自分本位の質問を考えたりしてしまいます。

 

これらは、相手に対して自分が進みたいほうへアクセルを踏み、
進んでいくイメージですが、
これが“クローズド・クエスチョン”を知らず知らずのうちに選択し、
相手のことを知るヒントを狭めてしまっているのですね。

 

人と築く良いコミュニケーションに、会話は欠かせないものです。
話を聴いているときの質問は“オープンクエスチョン”を選択し、
いつもフラットな状態を心がけて、聴いていきたいですね。