2026.03.31スマレボストーリー
スマレボストーリー【確立編】 #4 絶望の涙とすれ違う現場。組織改革への決断
こんにちは スマレボ代表の米澤です。
「確立編」第3話では、ある教育機関の武田社長から10年越しの依頼を受け、いざ蓋を開けてみると組織が「カオス」状態だった、というお話をしました。
今回は、その機能不全に陥った組織にメスを入れ、体制を立て直していくプロセスをお話しします。
面談室で溢れ出した「絶望の涙」
コンサルティングがスタートし、現場の状況を正しく把握するため、私はスタッフ全員との個人面談を実施しました。
そこに溢れていたのは、会社への「反抗」や単なる「愚痴」ではなく、深い「絶望」でした。
「尊敬できる先輩は、みんな辞めてしまいました」
「改善をお願いしても、『どうせこの会社は変わらないから』と、逆に不満を聞かされるんです」
「仕事が終わらないのに、誰も助けてくれません。もう会社にいるのが嫌です……」
面談室で何人ものスタッフが涙を流しました。
中には、完全に心を壊してしまっているような状態のスタッフもいました。
当時、現場を仕切っていたのはマネジメント経験が浅い人物であり、周囲とのコミュニケーションがうまく取れていない状況下で、組織はうまく機能していなかったのです。
また過去には、学生との深刻なトラブルが発生した際、会社との意思疎通が十分にできていなかったことから、心身をすり減らして辞めざるを得なくなった社員もいたそうです。
スタッフたちは、「何かあっても、誰も私たちを守ってくれない」という被害者意識に近い、強い不信感を抱えていました。
会社側と現場との間に、大きな認識のズレ(すれ違い)が生じてしまっていたのです。
経営者の「自責」が、組織を変える
私はこの現状と、現場が崩壊寸前であることを、包み隠さず武田社長に報告しました。
「社長、現場はこんな状態です。組織の体制そのものに問題があります」
社長は、かつてトップセールスマンとして会社を牽引してきた優秀な人物です。
外部の人間から自分の会社の痛いところを突きつけられ、不機嫌になってもおかしくありません。
しかし、武田社長の口から出たのは、意外な言葉でした。
「……私の痛いところです」
社長は深くうなだれ、こう続けました。
「私は事業を安定させるため、学生を集めることに重点を置きすぎていて、中をしっかり見てあげられていなかった。彼女たちには、本当に申し訳ないことをしてしまったと思います」
他責にするのではなく、すべて「自分の責任」として受け止めたのです。
そして、行動は迅速でした。
「米澤さんの言う通り、組織も改編します」
武田社長はすぐに組織の改革に着手し、教育プログラムの統一化を図るための「新しい部署」を新設したのです。
「戦う」のではなく、「信じる心」で向き合う
社長の英断により組織の改編が進められ、入社数年目の若手スタッフたちの中から、新たなリーダーが抜擢されました。
組織の体制に大きなメスを入れることになりましたが、私は決して現場のスタッフやかつての上司たちと「戦おう」としたわけではありません。
私は、人財育成において「戦う」という言葉を使いたくないのです。
なぜなら、根底にあるのは「愛」であり、「どんな状態の人でも、必ず良くなる」という信じる心を大切にしているからです。
面談で完全に心を壊し、「もう誰にも期待しません」と泣いていたスタッフ。
実は彼女、今でも会社に残って、前を向いて一生懸命頑張ってくれています。
ようやく、まともに息ができる環境が整いました。しかし、スタッフたちの心に染み付いた「不平不満」の癖は、そう簡単には抜けません。
次回は、いよいよマインドセットの改革。
研修で「良いこと」を言いながらも行動が伴わず、社長が苛立ちを募らせる時期。そこから「言葉の力」によって現実がどう変わっていったのかをお話しします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
