2026.02.17スマレボストーリー

スマレボストーリー【確立編】 #1 事務スタッフから「プロの接客」へ。現場が作った5つの誓い

こんにちは スマレボ代表の米澤です。

 

プロローグでお伝えした通り、ここからは「確立編」として、スマレボの人財育成メソッドがどのように組織を変革していったのか、その実例をお話しします。

 

最初にご紹介するのは、関東エリアを中心に30店舗以上を展開する、ある「販売サービス企業」様での物語です。
今でこそ、来店されたお客様から「接客が素晴らしい」「笑顔が素敵」とお褒めの言葉をいただく彼女たちですが、私が初めて出会った頃は、まさに「カオス」と呼ぶにふさわしい状態でした。

 

「なんで私が接客しなきゃいけないの?」

 

改革のきっかけは、会社のIT化による業務効率化でした。

 

これまで各店舗のバックヤードで経理や事務をしていた女性スタッフの仕事が、本社で一括管理されることになったのです。
そこで会社が出した方針は、ドラスティックなものでした。

 

「店舗での事務の仕事はなくなります。本社へ異動して事務スタッフとしての仕事を続けるか、店舗の『顔』として、お客様係(接客スタッフ)になっていただくか、どちらかを選んでいただくことになります。」

 

現場は大混乱です。
「私は事務として入社したのに…」
「接客なんてやりたくない」
「なんで私が表に出なきゃいけないの?」

 

当然、抵抗感を持つスタッフも多く、中には「表に出るくらいなら辞めます」という人もいました。
しかし、それでも「店舗に残る」と決意した約40名のスタッフたち。半分以上のスタッフは、気が進まないまましぶしぶ接客スタッフに変わることを決めたのです。

 

彼女たちを、バックヤードの事務員から、プロの接客係へと生まれ変わらせる。
それが、私に課せられたミッションでした。

 

派手なネイル、茶髪、自己流のマナー…

 

初めて彼女たちに会った時の衝撃は忘れられません。

これまで裏方だったこともあり、身だしなみもマナーもバラバラ。
派手なネイルやメイクで「夜のお仕事?」と見紛うようなスタッフもいれば、逆にお化粧っ気が全くなく、挨拶もままならないスタッフもいました。
会社側も「生半可な講師では太刀打ちできない」と頭を抱えていたそうで、私に白羽の矢が立ったのも「米澤さんなら、ビシッと言ってくれるだろう」という期待からでした(笑)

 

私はまず、「型」を徹底することから始めました。

朝10時から夕方まで、丸一日かけた集中研修を実施。
お辞儀の角度、言葉遣い、名刺の渡し方といった基本動作はもちろん、メイクや髪の色のトーン、ネイルの基準まで、明確なルールを設けました。

 

「おしゃれ」と「身だしなみ」は違います。
厳しいようですが、プロとして表舞台に立つ以上、そこは避けて通れない道でした。

 

「やり方」の前に「あり方」を

 

しかし、形だけ整えても意味がありません。
心がついてこなければ、それはただの「やらされ仕事」です。
私が最も大切にしたのは、スキル(やり方)の前に、マインド(あり方)を整えることでした。

 

「会社は、あなたたちに『お客様係』を求めています。でも、それはただお茶をお出ししたり案内したりするだけじゃないんです。」
「あなたたちも商品をより良く見せる存在です。会社の商品をよく見せるという大切な役割を担っていただきます。」
「この仕事を通じて、コミュニケーション力や気配りを身につけることは、あなた自身の人生にとっても、一生モノの財産になるはずです」

 

なりたい自分(理想の未来)と、会社の目標をリンクさせる。
そうやって一人ひとりの心に火をつけていきました。

 

現場から生まれた「お客様係5箇条」

 

そして、ある日の研修でのことです。 私は一方的に教えるのではなく、全員にポストイットを配り、ディスカッションを行いました。

 

「私たちが目指す『お客様係』って、どんな存在だろう?」

 

誰かに言われた言葉ではなく、自分たちの言葉で。
ホワイトボードいっぱいに貼られた意見を、みんなで分類し、磨き上げ、最終的に5つの言葉に集約しました。

 

それが、今もこの会社の行動指針として大切にされている「お客様係5箇条」です。

 

  1. 笑顔でムードメーカーになる
  2. 社内システムを使い情報共有
  3. 気配り目配り心配り
  4. また来たくなるお店創り
  5. ありがとうが溢れる人になる

 

これは、会社から押し付けられたスローガンではありません。
「私たちが決めた、私たちの約束」です。

 

この5箇条が完成したとき、会場は拍手喝采に包まれました。
バラバラだった40名の心が、一つになった瞬間でした。

 

「やらされる」から「自らやる」へ。意識が変わった彼女たちは、ここからさらに驚くべき進化を遂げていきます。

 

次回、涙と感動の「スキルコンテスト」、そして「教えられる側」から「教える側」へと成長したリーダーたちの物語です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!