2025.07.10スマレボ創業ストーリー
#2 「できます」と言い切る覚悟 ~チャンスを掴む提案力と行動力~

こんにちは。株式会社スマレボ代表の米澤です。
創業ストーリー連載の第2回をお届けします。
前回は、異業種交流会で出会った不動産デベロッパーの会長とのアポイントで、3時間ひたすらお話を聴き続け、ついに「ところで、あんたは何しに来たんや?」と問われたところまでお話ししました。
今回は、その問いに私がどう答え、最初の契約を掴み取ったのか、その舞台裏を公開します。
崖っぷちの提案力
「ところで、あんたは何しに来たんや?」
鋭い一言が、静かな会長室に響きます。
「よし、今だ」。私はこの瞬間を待っていました。
ここで初めて、私は本題を切り出したのです。
「会長、覚えていらっしゃいますか。交流会で女性の採用を相談しようかな、とおっしゃってくださいました。そのお話の続きを伺いに、本日参上いたしました」
「あんたは、何ができんの?」
「会長、女性の営業は必要ないですか?私なら、育てることができます」
「入社して欲しいけど、採用してもすぐに辞めてしまうんやわ」「しかも募集しても応募は来ないし、どうするんや?」と会長。
「はい。秘策がございます」
会長の目をしっかり見ながら、満を持して切り出した私。
過去に人材派遣の仕事で3万人もの採用面接をしてきた経験からの、具体的な採用プランです。
「モデルルームの受付に応募してきた女性たちをスカウトするのです。彼女たちのキャリアに寄り添い、『営業という仕事の素晴らしさ』を伝えます。受付の仕事はずっと続ける仕事ではありません。やる気のある人を、私が責任を持って一人前の営業に育てます!」
すると、会長の目の色が変わりました。
「それ、おもろいな。よし、それでいこう!」
言葉を「信頼」に変える、即断即決の行動力
会長の「おもろいな」を、本物の契約にするために私はすぐに行動に移しました。
その足で会長の会社のマンションモデルルームへ、まずはお客としてお忍びで現場調査に向かったのです。
現場の空気、営業マンのレベルを自分の目で見て、自分に何ができるかを具体的に把握するためです。
モデルルームでお客として話を聞き、「私ならもっと良くできる」と確信しました。
そして、再び会長を訪問し「モデルルームに行ってまいりました。私にできそうなことがあると確信しました」と報告。
私のこの行動力を、会長は高く評価してくださいました。
口だけでなく、すぐに行動で示すこと。これが、信頼を勝ち取るための何よりの証明になったのです。
「私には、不動産の営業経験はありません。ですが、お客様と良好な関係を築き、『あなたから買いたい』と言っていただくまでのプロセス作りは、私の最も得意とするところです」
私の覚悟が伝わったのか、会長は「見積もりを持ってこい」と言ってくださったのです。
覚悟の交渉、そして初めての契約
初めての見積もり。相場も分からず、知人に相談すると「弁護士とか税理士とか特別な資格もないし、月額3万円くらいが妥当なのでは?」と言われたのです。しかし、それでは生活が成り立ちません。
私は覚悟を決めて「月額30万円」の見積書を作成しました。
「本気でやらせていただきます。定着させるまで、毎日でも現場に顔を出します」
熱意を込めてプレゼンし、おそるおそる30万円の見積書をお見せすると、会長は「よし、わかった」と一言。
さらに「前払いでお願いしております」という厚かましいお願いにも、「わかった」と、すぐにその場で振込を指示してくださったのです。
こうして、8か月間ゼロだった私の売上が立つことに。
もちろん、契約後が本当のスタートです。
その後、採用した女性たちは次々と成果を上げてくれることになり、その活躍が認められ、「面接も」「研修も」と次々に仕事を依頼されることになったのです。
チャンスが目の前に現れた時、それに対して具体的な提案ができているか。
そして、それを裏付ける行動をすぐ起こせるか。崖っぷちだった私に、ビジネスの神様が大切なことを教えてくれた出来事でした。
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次回は、採用した女性たちがどのように成長し活躍していったのか、その秘訣をお伝えします。
ぜひ、また読みに来ていただけると嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。