2026.01.12スマレボストーリー

スマレボストーリー【成長編】#7 現場が生んだ「奇跡の大作戦」

こんにちは!株式会社スマレボ代表の米澤です。

 

前回、コロナ禍のオンライン研修で、チーム全員の思いを込めた「アファメーション(VOKR)」が完成したお話をしました。

「全員がリーダーシップを発揮し、全てのステークホルダーを幸せにする」

そう誓った彼らは、在宅勤務で生まれた時間を使い、会社の未来を変えるためのプロジェクトチームを、次々と立ち上げていきました。

 

彼らが取り組んだのは、目の前の業務効率化だけではありません。会社の「技術」と「資産」を未来へ繋ぐための、さらに高度な「仕組みづくり」でした。

 

ベテランの知恵を資産に! 「図鑑大作戦チーム」

 

まず着手したのは、長年の課題だった「見積もり作成の属人化」です。

この会社は歴史が長く、何万点もの部品が存在します。古い製品の修理依頼が来た際、どの部品が適合するかを即座に判断できるのは、頭の中に膨大な知識を持つベテラン社員さんだけでした。

 

経験の浅い若手社員は、部品を選定するだけで膨大な時間がかかってしまいます。

「このままでは、ベテランのAさんが辞めたら、見積もりを作るのに時間がかかってしまう…」

「Aさんなら一瞬で分かるその知識を、会社の資産として残そう!」

 

こうして始まったのが「図鑑大作戦チーム」です。

実は、この会社では以前から「マニュアル化が必要だ」とは分かっていたものの、ベテラン社員さんは多忙な上にパソコン作業に苦手意識を持っている方も多く、なかなか作成が進んでいないという現状がありました。

 

そこで、私はプロジェクトのスタートにあたり、ある提案をしました。

「若手社員がインタビュアーとなり、ベテランさんの知識を聞き出して記録していくのはどうですか?」

 

ベテランは、経験が邪魔をして、若手が何につまずくのかがわからないため、無理にベテランにマニュアルを作らせるのではなく、若手が聞き手になる。

そうすれば、若手は「そもそも、ここがわからない」という素朴な疑問をぶつけられますし、違う視点からのアイデアも出せます。一方、ベテランは質問に答えるだけで済みます。

この私の提案をきっかけに、若手が質問し、ベテランが答えるという共同作業がスタート。こうして完成したのが、写真と解説付きの「部品図鑑」です。

 

完成した図鑑はデータ化され、現場でもスマホですぐに確認できるようになりました。

効果は絶大でした。入社間もない社員でも部品特定が可能になり、見積もり作成にかかる時間は、なんと従来の1/5にまで短縮されました。

 

さらに、思わぬ副産物もありました。

インタビューを通じて、若手はベテランの知識の凄さに触れ、ベテランは若手の学ぶ熱意に触れる。自然と会話が増え、若手とベテランの間に師弟のような絆が生まれたのです。これは、組織にとって何にも代えがたい財産となりました。

 

全国どこでも高品質を! 「施工マニュアル大作戦」

 

次なる挑戦は、アファメーションで掲げた「全国で何件でも同時に行える体制」の実現です。

これまで、現場でのメンテナンスや設置工事の品質は、現地の協力業者さんそれぞれのやり方が違うため、手戻り(やり直し)が発生していました。

 

「これでは、お客様に安定した品質を届けられない」

「当社の基準を、全国のスタンダードにしよう!」

 

現場チームは、自分たちのノウハウを余すことなく詰め込んだ「施工マニュアル」と「チェックリスト」を作成。さらに、オンラインを活用して全国の協力業者さんへの説明会や教育も徹底しました。

 

結果、あれほど多発していた「出戻り」は、ほぼゼロに。

現場の負担が激減しただけでなく、「あそこに頼めば間違いない」というお客様からの信頼も格段に向上しました。

 

「思い」と「仕組み」が揃った時、組織は変わる

 

「図鑑大作戦」に「施工マニュアル大作戦」。

これらは全て、社長や上司に言われてやったことではありません。

「自分たちの技術を未来に残したい」「もっとお客様を幸せにしたい」という、社員さん自身の「アファメーション(思い)」から生まれ、彼らの手で作られた「仕組み」です。

 

コロナ禍という逆境をチャンスに変え、バラバラだった組織は、自ら考え、自ら動く「最強のチーム」へと進化しました。

 

「思い」だけでもダメ。「仕組み」だけでもダメ。

その両輪が揃い、社員一人ひとりが「当事者」になった時、組織は想像を超える力を発揮する。

この機械メーカーでの経験は、今の私のコンサルティングの確固たる自信と、大きな指針になっています。

 

私の「成長編」は、まだまだ続きます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!